ビル・ゲイツ

プログラミングのメリットを先人に学ぶ ビル・ゲイツ編

POSTED ON 2020.6.25

プログラミングを学べば、どのようなメリットがあるのでしょうか?

実業家や起業家の中には、プログラマーからキャリアをスタートさせた人もいるくらいですから、気になりますよね。

プログラミングのメリットを知るには、実際にプログラミングで成功した人に注目してみるのが一番です。

そこで今回は「ビル・ゲイツ(William Henry “Bill” Gates III)」に注目して、プログラミングを学べばどんなメリットがあるのかを見てみましょう。

あらためて、ビル・ゲイツとは?

ビル・ゲイツ(右)とスティーブ・ジョブズ(左)
ビル・ゲイツ(右)とスティーブ・ジョブズ(左)
Joi Ito from Inbamura, Japan / CC BY (https://creativecommons.org/licenses/by/2.0)

多くの人がWindowsパソコンを使っていると思います。そのWindowsを開発したのがMicrosoftです。そしてビル・ゲイツとは、Microsoftを設立した人です。

米国の調査会社NetApplicationsは、定期的にOSやブラウザのシェアを調査、公開しています。それによると、サーバをのぞく利用者向けOSのシェアにおいて、Windowsのシェアは88%となっています。

電機店にパソコンを買いに行くと、置いてあるのは大半がWindowsPCで、Macは特設コーナーにひっそりと売っているイメージがありますよね。Windowsのシェアは88%と高いのもうなずけます。

ここで、ちょっと考えてみてください。「Windowsパソコンなんてその辺に普通にあるよね。そんなOSを売っている会社の設立者がビル・ゲイツ?ということは、もしかしてこの人大金持ち?」

そうです!彼は米Forbes誌の世界長者番付の常連になるほど大金持ちなのです。
この大金持ちが、プログラマーからキャリアをスタートさせたって、信じられますか?

ビル・ゲイツの持つ資産

Forbes誌が2020年に発表した世界長者番付によると、ビル・ゲイツが保有する資産は世界第2位で1086億ドル、日本円にして11兆2000億円になります。長年、同紙の長者番付の常連でした。

途方もない金額ですが、2人の娘には1,000万ドルづつ残し、その他全額を寄付するとのことです。

ちなみに番付1位はアマゾンCEOのジェフ・ベゾスで1,601億ドル、2位はビル・ゲイツ 、3位はフランスの実業家(LVMH取締役会長)ベルナール・アルノーの1,028億ドル、4位はFacebookのマーク・ザッカーバーグで879億ドルです。

番付には、日本人では柳井正(298億ドル)、孫正義(264億ドル)などがランクインしています。

ちなみに、平成30年度の東京都の歳入は、7兆460億円でした。ビル・ゲイツ一人の資産11兆2000億円という数字が、どれほど大きい額かお分かり頂けると思います。

ビル・ゲイツは何をした人か

そもそもビル・ゲイツとは誰で、何をした人なのでしょうか?
有名人なのでたいていの人は知っていると思いますが、今一度整理してみましょう。

ビル・ゲイツ はWindowsというよりMicrosoftを作った人

現在Windowsパソコンを購入すると、Windows10が最初からインストールされています。
Windowsを開発、販売しているのがMicrosoft社です。
そのMicrosoft社を設立したのがビル・ゲイツです。1975年のことでした。

1995年に当時はMacintoshにしかなかったグラフィカルな画面を自社製品に導入したことでApple社と対立したこともありました。
またブラウザのシェアの問題で米国司法省とも対立したこともありました。

上記に加えて先に述べた資産額の多さや攻撃的な言動でも有名で、いろんな意味で「時の人」となることが多かったのです。

マイクロソフト社ワシントン州レドモンドの本社
マイクロソフト社ワシントン州レドモンドの本社
Coolcaesar / CC BY-SA (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0)

13歳でコンピュータに興味を持つ

ビル・ゲイツは、13歳のときに初めてコンピュータに触れました。それは三目並べのゲームソフト。ゲイツが通う中高一貫校のレイクサイドスクールには、生徒の母親たちで作る「母の会」があり、ガラクタ市の収益金で買ったのがそのコンピュータでした。

それからというもの、コンピュータへのめり込み、夜中に自宅を抜け出したり授業をサボったりしてまでコンピュータを触る時間を確保します。

その後仲間たちと給与計算ソフトや、レイクサイドスクールから依頼を受けて時間割作成ソフトを開発しました。時間割作成ソフト開発では、女子ばかりの中で男子はゲイツ1人だけのクラスができるよう細工したこともあるそうです。

ポール・アレン(左)とビル・ゲイツ(1970年、シアトル・レイクサイドスクールにて)
ポール・アレン(左)とビル・ゲイツ(1970年、シアトル・レイクサイドスクールにて)
Bruce Burgess / Public domain

レイクサイドスクールを卒業し、名門ハーバード大学に進学しました。専攻はコンピュータやプログラミングではなく応用数学です。
その頃には、すでに教授のレベルを超えるコンピュータの知識を持っており、大学に進学してまでコンピュータに触れる必要はないと思ったからです。

親友と起業

大学在学中の1974年、親友のポール・アレンが雑誌『ポピュラー・エレクトロニクス』を手にして部屋に飛び込んできました。というのも、当時としては画期的な個人向けのパーソナルコンピュータの写真が表紙を飾ったからです。

今後コンピュータがどんどん小型化・高機能化・低価格化していくことが予想され、個人でも所有できるようになれば・・・新しい時代の幕開けです。
ポールは「もう始まっているんだ!早くしないと乗り遅れるぞ!」と叫んだということです。

ビル・ゲイツはハーバードに休学届を出して、友人たちと合わせて計4人で、1975年メキシコ州アルバカーキで会社を立ち上げます。
そう、Microsoftの誕生です。後に自著で「一生で一度しかめぐってこないチャンスだった」と語っています。

Microsoftがパーソナルコンピュータ市場をリードしてきたのは事実です。
ということは、このときビル・ゲイツが会社を立ち上げなければ、今のコンピュータ市場はどうなっていたのでしょうか。

必死でプログラミング

会社の立ち上げ以降、ビル・ゲイツは必死でプログラミングをします。
会社を立ち上げて社員を雇っているわけですから、給与計算、税金処理、その他会社の営業という間接業務もしなくてはいけません。それ以外の時間は寝食をを忘れプログラミングに打ち込みました。

そして、最初のヒットが訪れます。

最初のヒットはBASICという開発言語

Microsoftの設立当時、MITS社が発売したアルテアというコンピュータがありましたが、それを動かすためのプログラミング言語がありませんでした。ビル・ゲイツたちは当時すでに存在していたBASICという開発言語をアルテア用に作り直しました。それが最初のMicrosoftのヒット作です。

以降に発売された主だったパーソナルコンピュータ、AppleⅡですらもBASICを採用しました。

屈しない

Microsoftが順調に成長しているとき、思いかげず超巨大企業であるIBMがコンタクトを取ってきます。
IBMもパーソナルコンピュータの世界に興味を向けており、自社の持つハードに乗せるOSを、当時Microsoftの開発していたMS-DOSに選定したのです。

その後、ビル・ゲイツたちはIBM独自のOSであるOS/2を共同開発するものの、大企業的なスタイルに馴染めず、結局は決別してしまいます。

IBMという超大企業にも屈することなく、やっていけないと感じたら離れる。
経営者として自分自身を安売りせずブレない決断を下したといえます。

驚くべき先を読む力

ビル・ゲイツは頭脳明晰で、先を読む力が非常に長けています。「ビル・ゲイツ 未来を語る(アップデート版 1997)」を少し見てみましょう。20年以上前の書籍であることをお忘れなく。

取引にはたいてい金銭が関係するが、それは現行の通貨ではなくデジタルな形で決済されることになるだろう。

消費者は映画を見るのにお金を払うのに慣れているから、ビデオ・オン・デマンドの人気が出るのは間違いない。ビデオデッキは要らない。無数のプログラムの中から好きなものを選べばいい。

ノートPCよりさらに小さく、財布(ウォレット)と同程度の大きさのPCが出るだろう。メッセージやスケジュールをモニターし、ゲームができたり、会議の席ではノートを取り、退屈したら情報をみたり、子供の写真を表示して眺めることができる。

新しいウォレットが、偽造不可能なデジタルマネーを保管する。

これが2020年現在の何に当たるのか、今さら解説する必要はないでしょう。20年以上前には、現在の社会を予想していたのです。

ビル・ゲイツの「今」

すでにMicrosoft から離れている

ビル・ゲイツは、1975年のMicrosoftの設立時から長年MicrosoftのCEO(最高経営責任者)でした。しかし2000年にはCEOを退任、さらに2020年3月には取締役すら退任して、Microsoftからは完全に離れました。

Microsoftはビル・ゲイツが去ったあとも業績は好調で、2020年現在の時価総額はゲイツが現役だった頃よりもさらに高くなり、1兆ドル(円ではありません!)を超えています。

慈善事業家として活動

2008年、世界経済フォーラムでのビルゲイツ
2008年、世界経済フォーラムでのビルゲイツ(右から2番目)
World Economic Forum from Cologny, Switzerland / CC BY-SA (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/2.0)

なぜビル・ゲイツはMicrosoftを去ったのか、それは自分に残された時間を慈善事業に使うためです。実はビル・ゲイツとその妻メリンダは、2000年に世界最大規模の事前基金団体「ビル&メリンダ・ゲイツ財団」を設立しています。

プログラマーとして活動しているとき、ビル・ゲイツは自分が慈善活動をすることになると想像できたでしょうか?

ビル・ゲイツはプログラミングスキルを身につけて起業したことにより、巨額のお金を手にしました。そして現役を離れたあとは慈善事業家になりました。プログラミングを身につけることは、目の前のビジネスに直接役立つだけでなく、思いもよらない発想が生まれ、自分の将来をも変えるきっかけになるかもしれないのです。

他にもいる!プログラマーからスタートした有名人

ビル・ゲイツ以外に、プログラマーからスタートした有名人は他にもいます。Facebookの設立者マーク・ザッカーバーグもそうですし、日本ではホリエモンこと堀江貴文もプログラミングに精通していることをご存知でしょうか?

Mark Zuckerberg
Anthony Quintano from Honolulu, HI, United States / CC BY (https://creativecommons.org/licenses/by/2.0)
堀江貴文
Kevin Krejci / CC BY (https://creativecommons.org/licenses/by/2.0)

言い換えれば、
プログラミングができれば、
自分の好きなサービスやプロダクトを開発して世に出すことができるし、
起業すらもできる
ということです。

まとめ

11兆円もの資産を持ち、設立した会社を引退してからも精力的に活動するビル・ゲイツも、キャリアのスタートはプログラマーでした。

プログラミングを学ぶすべての人が、彼のように天才で大金持ちになれたりはしません。しかし、少なくともプログラミングを学ぶことによってさまざまな道が開けるのは、彼を見ているとまちがいではなさそうです。

前述のように、共同設立者ポール・アレンがコンピュータ時代の幕開けを感じたとき、ビル・ゲイツに
「もう始まっているんだ!早くしないと乗り遅れるぞ!」
と言いました。

この言葉は、今まさしくプログラミングに興味を持ったあなたにピッタリの言葉ですね。

ぜひこれを機に、プログラミングの世界への扉をたたいてみてください。

ではまた!

<出典>
天才の頭の中 ビル・ゲイツを解読する(Netflix)
あなたの知らないビル・ゲイツ(書籍)
ビル・ゲイツ 未来を語る(書籍)